24 時間の瞑想術

気軽に、気楽に、瞑想を。

ネットで瞑想の危険性を調べているあなたへ

前回の記事、
http://medoninf.hatenablog.com/entry/2017/05/01/170457:link
では、マインドフルネス、ヴィパッサナーの瞑想について、主にゴエンカさん方式の瞑想法について紹介しましたが、ネット上での検索状況を見ると、瞑想の持つ危険性について心配している方も多いようです。

瞑想という言葉を使うと、なんだか神秘的な印象を受けるかもしれませんが、運動をしたり、車を運転したり、といった日常的な体験とそれほど違いがあるわけではありません。

運動でも間違ったやり方をすれば体を痛めることがありますし、自動車の運転も一つ間違えれば大事故につながります。

この記事では、瞑想を安全に行なうためのやり方を簡単に述べたいと思います。

これから瞑想をやってみたい方はこちらを

あなたが、ストレスの解消や心身の調子を整えるために瞑想をやってみたい、ということであれば、一日に一時間くらいまでの、おだやかな瞑想を毎日するくらいならば、これが害になる心配はほとんどありません。

ただし、心身の不調を抱えている方や、精神的に敏感な方は、軽めの瞑想からでも、心身のバランスを崩す場合がありますので、十分ご注意ください。

自分で「おかしいな」と思ったら、瞑想はしばらくやめてみる、くらいの気持ちでいたほうが、安心して瞑想の練習に取り組めます。

瞑想は一人でやっても大丈夫? 集団ですると洗脳される?

目を閉じてゆっくり呼吸をし、呼吸に意識を向けたり、数を数えたりするような、おだやかな瞑想の場合、一日に何時間も行なったりしなければ、一人でやっても、危険なことが起こることはほとんどありません。

けれども、人によっては、「妄想」的な世界に飲み込まれてしまったり、「幻覚」的な映像に圧倒されたり、といったことが起こらないとは限りませんので、霊感の強い方など、精神的に「敏感」な方の場合は、十分ご注意ください。

また、指導者のもとで集団で行なう瞑想に「洗脳」の危険があるのか、というと、これはすべて指導者の資質によります。

安心できる指導者のもとで集団で行なう場合、一人でする場合より深い瞑想に入りやすくなり、大きな効果が得られる可能性が高まります。

一方で、団体によっては、宗教的・営利的な目的により、瞑想を「洗脳」の道具に使い、多額の寄付を要求したり、高額の教材を買わせるなどの可能性もありますので、十分に注意したほうがよいでしょう。

瞑想をやっていて心配になった方はこちらを

実際にご自分で瞑想をやっていて、さまざまな心身症状が起こり、困っている場合は、軽度のものであれば、いったん瞑想をやめたほうがいいかもしれません。

こうした症状は、無意識的な部分でもつれていた、あなたの抱える「問題」がゆるんできたために起こる一時的なものではあるのですが、一人で瞑想をしている場合は、抱えきれないような大きな問題に発展する可能性もあるからです。

まわりによい指導者や、瞑想を実践しているよい理解者があれば、そうした方のサポートを受けた上で、瞑想を続けることも可能です。

様々な心の問題が浮かび上がってきても、たとえ「神」の声が聞こえてきても、すべてはやってきては去っていく「無常」のものであると知って、ただそれを観察することができれば、どんな「問題」であっても、あなたの良き教師となってくれるでしょう。

瞑想を継続するのか中断したほうがよいのか、ご自分の精神状態をよく吟味した上で、判断することをおすすめします。

知り合いが瞑想をしていて心配という方はこちらを

お知り合いの精神的に不安定な方が瞑想をしていて不安だ、という場合は、なるべく瞑想について批判的なことは言わずに、暖かく様子を見守ってあげてください。

あまりに状態がひどい場合は、精神保健や医療の窓口につなげることも考えられますが、医療の質によっては、返って状況が悪化する場合もあることはご承知おきいただけたらと思います。

はたから見て確かに「異常」な言動があっても、瞑想をやめれば収まるような、一時的なものである場合もあります。

そのようなときに、質の「低い」医療にかかると、返ってこじらせて「症状」が悪化したり固定したりしかねません。

つまり、これは「瞑想」の問題というよりは、すでにその方の「人生」の問題になっておりますので、どうか、あなたが相談する精神保健や医療の担当者の方が、きちんと患者の立場を理解できる方かどうかを、よく見極めた上で、担当の窓口へつないでいただけるよう、お願いいたします。

ゴエンカさん方式のヴィパッサナーについて一言

前回の記事、
http://medoninf.hatenablog.com/entry/2017/05/01/170457:link
でも紹介したゴエンカさん方式のヴィパッサナー瞑想ですが、これはぼくにとっては大変役に立つものであり、こちらの十日間の合宿コースを受けたことは、本当によい体験となりました。
(生徒として三回、コースのお手伝いをするボランティアとして二回の参加経験があります)

そして、同じように称賛の感想をネット上で書いている方はたくさんいらっしゃるのですが、だからといってこの方法が誰にでも合う、ということにはなりません。

十日間に渡って、外界との連絡はなし、読み書き、おしゃべりもできない、朝四時半から夜の九時まで、食事と若干の休憩以外はほとんど座りっぱなし、食事は朝と昼だけで夕方は軽食のみ、という非常にストイックなコースですので、よほどの覚悟を決めてからでないと、申し込むわけにはいかない性質のものだからです。

ですが、このコースはいわゆる「洗脳」とは無縁のものです。

ゴエンカさんのやり方は、いわばお釈迦さまの教え通りであって、教えを盲信してはいけないことを強調しています。

教えを聞いたあとに、自分で実際に経験して、体のレベルで納得するようにという指導ですから、「催眠」にかけて「高額のお布施」を要求するようなものとは違います。

ちなみに、ゴエンカさん方式の瞑想コースについて
ヴィパッサナー瞑想はなぜ合宿体験しない方がいい結果なのか? | 精神工学研究所
というような記事を書いて、潜在的参加者希望者を「脅し」、自分の教材の「売り込み」をはかっていると思われる方がいらっしゃるので、驚いてしまうのですが、この方が書いてらっしゃすることは、事実とは異なる「空想」的な批判が大半です。

ただし、こちらの方の瞑想の教材にも当然メリットはあるでしょうし、その内容全体を否定するつもりはありません。言いたいのは、事実に基づかない「誹謗・中傷」については、いかがなものだろうか、ということです。

いちいち反論は書きませんが、寄付についてだけ一言。

ゴエンカさん方式のヴィパッサナー瞑想センターが寄付だけで賄われているのは事実ですし、きちんと領収証も発行されます。

また、これはあくまで自発的な寄付ですので、コースを終了後に、
「コースを受けて良かった、このコースを他の方が受ける助けをしたい」
という気持ちのもとに行なうことが前提であって、コースに不満があれば、一銭も払わなくてもまったく問題はありません。

実際ぼくは、やや特殊なケースではありますが、コース参加後、まったく寄付を行なわなかったことがあります。

ぼくの参加したコースはすべてインドのセンターで行なわれたものですが、昨年暮れにインドで高額紙幣の使用を突然停止したために、インド・ルピーの入手が困難になり、瞑想センターでもそれを考慮して、寄付は無理にしなくてもいいよ、という対応をしてくれたのです。

もちろん、日本の方の場合、まったく払わずに、というのはさすがにしずらいでしょうから、例えば、日本で参加する場合、一日辺りの食事と宿泊の最低限の出費を考えて、一万円ほどの寄付をするのであれば、十日間のコースの参加費としては安すぎるくらいのものでしょう。

ちなみに地橋秀雄氏の瞑想指導は、こちらの案内
http://www.satisati.jp/Schedule/2017/OneDay_201706.html
を見ると一日のコースで 9,000 円。

ぼくは地橋氏のことはよく存じ上げませんが、手軽に受けられる一日コースにももちろんメリットはあるでしょう。

けれど、ゴエンカさん方式の十日間コースに、仮に数万円払ったとしても、決して高くはないことが、この金額を見れば分かっていただけると思います。

  *  *  *

記事の後半が、ゴエンカさん方式の瞑想コースの弁護のような文章になってしまいましたが、ネット上で「ちょっとどうか」と思われる記事が検索の上位に上がっていたため、このような内容を書かせていただきました。

瞑想に関心はあるけれど、ちょっとためらっている、というあなたの疑問点を晴らすのに、この記事が役立ちましたら幸いです。

なお、上でも触れましたが、具体的な瞑想法については、
http://medoninf.hatenablog.com/entry/2017/05/01/170457:link
で紹介していますので、よろしければご覧ください。

それでは、みなさんの瞑想練習が、楽しいものになりますように。

以上、ぷちウェブ作家の那賀乃とし兵衛がお送りしました。

それではみなさん、ナマステジーっ!!

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